お祝い事や弔事で贈りものをする場合は、「のし紙(熨斗紙)」をかけて相手方に贈ります。のし紙にはいくつか種類があり、贈りものをする場面に合わせて使い分けなければなりません。心を込めた贈りものをする際は、しっかりとマナーに則った作法で贈りたいですよね。
そこで今回は、大人として覚えておきたいのし紙の種類とマナーをご紹介いたします。
そもそも熨斗紙って?
一般的に「のし紙」と呼ばれている紙は、「掛け紙」「水引」「熨斗(のし)」の3つから成り立っています。
掛け紙
贈り物を覆う白い紙です。この紙になにが記されているかで、贈り主の気持ちを表現します。
水引
掛け紙の上にかける飾りの紐です。相手と自分の気持ちを結ぶという意味を込めて二色の紐で結びます。色と紐の本数、そして紐の結び方によって意味が変化するため注意しましょう。地域や風習で少しずつ違いがありますが、主な使い分けは以下の通りです。
色 ・・・ 金銀は婚礼祝い、赤白はお祝い事や一般的な贈りもの、黒白・黄白は弔事に用います。
本数 ・・・ 基本は5本の束で、大切な贈りものになるにつれて7本、9本と奇数で本数が増えます。婚礼祝いの場合のみ、「両家の結びつき」という意味で10本のものを使います。
結び方 ・・・ 何度あっても嬉しい出産や入学、お歳暮といったお祝い事には「花結び」を、一生に一度きりであってほしい結婚や快気祝いなどのお祝い事、弔事には「結び切り」を用います。
熨斗
お祝い事の贈りものに添える飾りです。本来は、縁起物とされる「あわび」を薄く伸ばした“熨斗あわび”が添えられていました。最近は簡略化され、細長い六角形の色紙に長方形の黄色い紙が包まれたものや、印刷された熨斗が使われています。
お祝い事を「伸ばす」という意味合いもあるため、弔事や病気のお見舞いなどには用いません。また、熨斗自体が「生もの」を表しているため、肉や魚などの生ものを贈る際には熨斗は不要です。
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表書きの書き方は?
表書きは、どのような気持ちを込めた贈りものかを伝える大切な言葉です。自ら記す場合は、万年筆やボールペンは避けて毛筆を使い、楷書体で記入しましょう。弔事の際は、「涙で墨が薄まる」という意味で薄墨を使って記すのが一般的です。また、「入学御祝」「還暦御祝」などの4文字の表書きは「四(=死)文字」として気にする方もいるため、「御入学御祝」「祝還暦」などにして文字数を変えるのが良いでしょう。
名前は、表書きよりも少し小さめに記載しましょう。連名で贈る場合は、目上の方もしくは代表者の名前を一番右に置き、左側へ続くように他の方の名前を書いてきます。
中袋はお金を包んでから、上包みで包むのが一般的です。表面の中央に金額を、裏側に贈り主の住所と名前を書きます。金額は「金 ○萬円」のように、「金」のあとにスペースを空けてから金額を記載します。十万円以上贈る際は、最後に「也」と書いて「金 ○萬円也」とするのがマナーです。
【主な表書きの種類】
慶事
結婚祝い・・・「寿」「祝御結婚」「御祝」など
出産祝い・・・「御出産祝」「祝御出産」「御誕生祝福」など
入学祝い・・・「御入学御祝」「祝御入学」など
合格祝い・・・「合格御祝」など
就職祝い・・・「御就職御祝」「祝御就職」など
成人式のお祝い・・・「祝成人御祝」「祝御成人」
長寿のお祝い・・・「祝還暦」「白寿御祝」など
新築祝い・・・「祝新築」「祝竣工」など
開店祝い・・・「祝御開店」「祝御開業」「祈御発展」など
弔事
香典・・・(仏式)「御霊前」「御香典」など
(神式)「玉串料」「御霊前」など
(キリスト教)「御白花料」「御花料」「御霊前」など
香典返し・・・(仏式)「志」「忌明」「満中陰志」など
(神式)「志」「偲草」「茶の子」など
(キリスト教)「志」
お見舞い
病気見舞い・・・「御見舞」「御伺い」「祈御全快」など
病気見舞いのお返し・・・「快気祝」「全快内祝」など
火災や地震など災害の御見舞い・・・「御見舞」「災害御見舞」など
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表書きの書き方は?
のし紙の掛け方には、2種類あります。それぞれの目的や状況に合わせて使い分けましょう。
内のし
内のしとは、贈答品に直接のし紙を掛けて、上から包装紙を包むことを言います。表書きを隠して贈ることから、主に、内祝いに用いられます。
外のし
包装紙の上からのし紙をかけることを言います。贈る目的を相手にはっきり伝わるため、主に、結婚祝い・出産祝いなどに用いられます。
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いかがでしたでしょうか。今回は、のし紙・表書きの種類や覚えておきたいマナーについてご紹介いたしました。今回ご紹介した基本のマナーを覚えておけば、急なお祝い事でも慌てずに「のし紙」を選ぶことができます。ただし、贈りものに関するマナーには、地域やお家の伝統、習慣によってさまざまな違いがある可能性もあります。贈りものをいただいた際に、一度地域の習わしを確認しておくのが良いでしょう。
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